笑いのポジション

 

今日本は空前のお笑いブームです。

 

それは世相が反映されているというよりはこのご時世、お金にまつわる諸事情(番組を

安くあげるため)も加わり仕掛けられたブームが持続しているのだと想像できますが、

チャンネルを変えればうんざりするほど多くのお笑い芸人達がテレビのあちこちに登場

しています。

 

でもこの間たまたま見た深夜のコント番組では、笑いの要素がてんこ盛りで、想定外の

受け答え、予期しない展開、既成概念の脱却、日常性、非日常、動物変身、女装、など

などついつい見入ってしまいました。

 

しかしこれはまさにいわゆる「現代アート」の要素が満載ではないかと思ったのです。

コントという提供された場が違うだけで、コントの一部を切り取ったかたちで現代アー

トという舞台に載せればそこでも十分成立しうるのではないかと思いました。

 

ただ単に笑い飛ばすか、あるいはいわゆる現代アートという場でこのように言及するこ

とも可能に思えます。

 

「現実というのは変化するのが当たり前で想定外なことが起きるのが現実である。理性

的社会的に形成された文化的コードは知らず知らずにまとわりついた抑圧という虚構で

あるという検証に他ならない。

ここに露にされたものは性の越境であり動物と人間の境の越境であり権威や階級からの

脱却である。極度な虚構の構築により最初は拒絶していた事柄が変にリアルなものとし

て自分自身の中の一部の感覚として認識することとなる。」

 

とこのように哲学的解釈を加えると様相が一変します。

 

「笑い」と言ってもかなり幅広いものですが、いわゆる「現代アート」と随分リンクす

る部分があるものだと改めてテレビ番組を見て思った次第です。

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    シン (月曜日, 05 9月 2011 10:18)

    その通りですね、笑いは真実や真剣や事実を裏返し揶揄し社会批判を折り込むもので、アートの原点に通じるもの。英国の社会風刺TVモンティパイソンはある意味アートでした。

  • #2

    丸田 (木曜日, 08 9月 2011 02:24)

    社会風刺的なお笑いって日本はほんと少ないですね。
    お笑いとユーモアのことも考えてみたいと思います。