3.11 後のアート

草間弥生、松本市美術館にて
草間弥生、松本市美術館にて

 

アートはどれほど時代性を反映させるものでしょうか。

現代を生きている以上、大なり小なり時代性はつきまとって

くるでしょう。しかしながらその関わり具合は作家によって

かなり違います。 

 

ある評論家は世界を揺るがす大きな出来事の前後によってア

ートの表現の変化を分類指摘したりします。冷戦時代の終結、

ドイツ東西の壁崩壊、9.11、、、、、など。

でもそれがかなり勝手なこじつけと思うことがあります。

 

政治、経済、社会とこれほどまでに根こそぎ変えてしまうよ

うな今回の大惨事はいまなお現在進行形で、毎日の事態の様

子を見るにつけ、様々な思いが渦をまいています。

 

何事もなかったかのように風は木の葉を揺らし暖かい日差し

の中、花々が色とりどりに咲いてきていますが、多分今まで

あった秩序は崩壊し新しい秩序が生まれるまで混沌が続くこ

とでしょう。

 

アーティストとして何ができるのか何をどう表現すればいい

のか皆考えていることと思いますが、私個人としては根底に

流れているものは変わらないので一時的に、部分的に今回の

脅威に触れ作品に組み込まれることはあったとしても大きな

作品の流れとしては変わらないと思います。

 

政治問題、社会問題などその置かれている状況が悲惨であれ

ばあるほどそれを扱う作品が有利に働くというのともちょっ

も違う気がします。

 

しかしながら、今描いている黒い螺旋も直接的にそういうつ

もりではなくても、なぜかあの津波に見えてくることがあっ

たり、その他の部分が希望や未来への祈りのようなものに思

えてくるので当然のこととも思えるしまた不思議なものです。

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    しん (金曜日, 06 5月 2011 13:37)

    今回の大災害で螺旋も多様化して良いと思いますね。自然の中にある大きなパワーの表現として。